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自殺申請書

カテゴリ : 自作小説
その世界では自殺することが個人の自由な権利として認められていた。
自殺申請書を書くだけで自殺専門の施設にて
安らかに痛みも無く永遠の眠りにつくことが出来た。
人々はいつでも自分の意思で人生を終わらせることができる。
人々は日々生活している中でふとこんなことを考える。
そろそろ自殺を申請しようかなと。


時代は人口爆発により人類が増えすぎ、様々な問題が発生していた。
そんななかある国がある斬新な人口減少対策を打ち出した。
それが自殺申請制度だ。
この制度は人権に反するなどとして周辺各国から多くの批判を受けたが
その国ではこうでもしないと人口が増えすぎて経済活動や普段の生活も成り立たない
状況にまでなっていた。
自国内の反対意見も無理やり抑えてこの制度は議会を可決された。
この制度が施行され始めたのが3年前。
それから徐々に人工は減り始め、今では元の総人口の5分の1にまで縮小した。
いつしかこの国ではなにかに挫折するとすぐさま自殺申請を考えるということが一般的な考えになっていた。

今日もまたクラスメイトがひとり減った。
もともと1クラス100人というアンバランスな教師・生徒比で、もっと少なくなればよいと思っていたが
実際、入学時点からこうも人が減っていくとかなり動揺する。
いくら16歳以上になれば誰でも自殺申請が行えるといっても私自身はまだこの世界にも
生きていればそのうちおもしろいこともあるだろうと思い、自殺申請などまったく考えていなかった。
しかし、周りのみんなの話を聞くとそう考えているのはごく少数らしい。
いつ死のうか。
そんなことが毎日の普段の会話から聞こえてくる。
そんなに悪くもない世界だと漠然と考えていた私はこのごろになってようやく自殺申請の可能性を考え始めていた。
なにかいやなことがあり悩んでいると。
そうか、自殺申請という手もあるのか。
などと思うようになっていた。
しかし実際にクラスメイトが日々刻々と減っていく様をみるとどうも解せない気持ちが残り、
その日一日はこの引っかかる気持ちはなんなのかと、ぼんやりとすることが多くなっていた。
そんなにこの世界は、こちらからその繋がりを断絶するほどいやな世界なのだろうか。
確かにイヤなこともあるだろうけどイイときだってあるじゃないか。
それでも消えていった人たちはイイことよりイヤなことが多かったのだろうか。

自問自答が続く。
そんな毎日。


俺はある日、親友Iに自殺しようかどうか迷っていると相談を受けた。
もちろん俺は反対した。そのときはなんとか説得したつもりだった。
次の日の下校途中、思いがけない光景を目の当たりにする。
親友Iが自殺申請カーに乗り込むところを見てしまったのである。
俺は道の反対側から必死に声をかけようとした。
おいー!I!
声が聞こえたのかIはこちらを向くとごめんなさいと謝るように頭を下げ
そのあと笑顔で手を振って車に乗り込んで行ってしまった。
俺は考えた。
今ならまだ追いついて話が出来るかもしれない。
そうだ、俺も自殺申請カーを今すぐに呼べば同じ場所へたどり着くはずだ。
とっさにそう考え携帯で自殺申請カーを今すぐよこしてほしいと要請した。
偶然にも1分ほどのすばやい対応で自殺申請カーは到着した。
**さんですか。
運転手が本人確認をする。
はい、いますぐに連れて行ってください。
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